2025年10月14日、Windows 10のサポートがついに終了します。すでにMicrosoftからの通知やニュースでこの話題を耳にした方も多いのではないでしょうか。「今使っているパソコンはそのまま使い続けられるの?」「アップグレード?それとも買い替え?」といった不安や疑問を抱えている方も少なくありません。
本記事では、サポート終了に伴って起こる変化やリスクに加え、今すぐ始めるべき対応策と選択肢をわかりやすく解説します。家庭用PCから業務用PCまで、日常的にWindows 10を利用している方が安心して次のステップに進むための実用的なガイドとしてご活用ください。
目次
Windows 10のサポート終了とは?いつ何が起きるのか
改めて、「Windows 10のサポートが終了する」というニュースを目にした方も多いのではないでしょうか。しかし、実際にサポート終了とは何を意味するのか、自分のパソコンはどうなってしまうのか、という疑問をお持ちの方も少なくありません。Windows 10のサポート終了について基本的な情報をわかりやすく解説します。
サポート終了日は2025年10月14日
Microsoft社は、Windows 10のサポートを2025年10月14日に終了することを正式に発表しています。注意すべき点として、Windows 10のすべてのバージョンが同時に終了するわけではありません。過去のバージョン(21H2、20H2など)はすでにサポートが終了しています。現在使用できるのは最新の22H2のみで、この最終バージョンが2025年10月14日にサポート終了となります。
Windows 10バージョン | サポート終了日 | 状況 |
---|---|---|
22H2(最新) | 2025年10月14日 | 終了予定 |
21H2 | 2023年6月13日 | 終了済み | 21H1 | 2022年12月13日 | 終了済み | HDD | 終了済み | 20H2 | 2022年5月10日 | 終了済み |
自分のWindows 10バージョンを確認する方法
お使いのパソコンがどのバージョンのWindows 10を使用しているかをまず確認しましょう。バージョンの確認方法は以下の手順で簡単に行えます。
- 画面左下の「スタート」ボタンをクリック
- 「設定」(歯車のアイコン)をクリック
- 「システム」を選択
- 画面を下にスクロールして「詳細情報」をクリック
- 「Windowsの仕様」セクションに「バージョン」の表示があります
「サポート終了」で実際に起こること
Windows 10の「サポート終了」とは、マイクロソフトによるセキュリティ更新プログラムや技術サポートの提供が完全に停止されることを意味します。これにより、たとえPCが正常に起動し操作できたとしても、今後発見される脆弱性に対する修正パッチが一切配信されなくなります。
表面的には普段通り使えていても、「知らないうちにリスクにさらされている」状態になるのがサポート終了後の最大の落とし穴です。見えない不安が積み重なる前に、早めの対応を検討することが重要です。
Windows 10サポート終了後のリスクと影響
Windows 10のサポート終了後もパソコンを使い続けると、どのようなリスクや影響があるのでしょうか。ここでは、サポート終了後に直面する可能性のある具体的なリスクとその影響について詳しく解説します。
セキュリティ上の脆弱性が修正されなくなる
Windows 10に限らず、すべてのソフトウェアには「脆弱性」と呼ばれるセキュリティ上の弱点が存在します。Microsoftは、脆弱性が発見されるたびに「セキュリティ更新プログラム」を配布し、修正を行っています。しかし、サポート終了後は更新プログラムが提供されなくなります。脆弱性が修正されないままだと、悪意のある第三者がその弱点を突いてパソコンに侵入したり、マルウェアに感染させたりする危険性が高いといえるでしょう。
個人情報漏洩やサイバー攻撃のリスク増大
セキュリティ上の脆弱性が修正されなくなることで、最も懸念されるのが個人情報の漏洩やサイバー攻撃の被害です。例えば、ランサムウェア攻撃やフィッシング詐欺などのサイバー犯罪者から狙われやすくなります。
特に注意すべきは、こうした被害は必ずしも即座に気づけるものではないという点です。バックグラウンドで個人情報が徐々に流出していたり、パソコンが密かに不正利用されていたりする可能性があります。
最新ソフトウェアや周辺機器との互換性問題
セキュリティリスク以外にも、サポート終了後は日常的な使用において様々な問題が発生する可能性があります。特に深刻なのが、最新のソフトウェアや周辺機器との互換性の問題です。
ソフトウェア開発会社は、サポート終了したOSへの対応を次第に打ち切っていきます。ソフトウェアや周辺機器が使えなくなると、業務効率の低下や日常生活の不便につながるだけでなく、長期的にはパソコンの利用価値自体を大きく減少させることになるといえます。
Windows 10サポート終了への対応策① Windows 11へのアップグレード
ここからはWindows 10サポート終了への対応策を3つ紹介します。
まずは、一般的な対応策としてWindows 11へアップグレードを紹介します。ここでは、アップグレードの条件や方法について詳しく解説します。
Windows 11の最小システム要件を確認
Windows 11へのアップグレードを検討する際、まずは今使っているパソコンがWindows 11の要件を満たしているかどうかを確認しましょう。以下が主なWindows 11の最小システム要件です。
項目 | 要件 |
---|---|
プロセッサ | 1GHz以上で2コア以上の64ビット互換プロセッサまたはSystem on a Chip(SoC) |
メモリ | 4GB以上 |
ストレージ | 64GB以上の空き容量 |
システムファーム | UEFI、セキュアブート対応 |
ウェア | |
TPM | トラステッドプラットフォームモジュール(TPM)バージョン2.0 |
グラフィックカード | DirectX 12以上(WDDM 2.0ドライバー)に対応 |
ディスプレイ | 対角9インチ以上、8ビットカラーの高解像度(720p)ディスプレイ |
特に注意が必要なのは、TPM 2.0の要件です。これは多くの古いパソコンでは標準装備されていない場合があります。また、CPUについても、Windows 11が対応していないプロセッサモデルが多数あります。
お使いのPCがアップグレード可能か確認する方法
現在使っているパソコンがWindows 11にアップグレード可能かどうかを確認する最も簡単な方法は、Microsoft公式の「PC正常性チェックアプリ」を使用することです。このアプリをインストールして実行すると、パソコンのハードウェア構成がWindows 11の要件を満たしているかどうかを自動的に診断してくれます。
診断結果が「このPCはWindows 11を実行できます」と表示されれば、問題なくアップグレードが可能です。「このPCはWindows 11を実行できません」と表示された場合は、どの要件を満たしていないかの詳細が表示されます。
Windows 11へのアップグレード手順
パソコンがWindows 11の要件を満たしている場合は、以下の手順でアップグレードを行うことができます。アップグレード前には、重要なデータのバックアップを取ることを強くお勧めします。
アップグレードの手順
- データをバックアップ
- 重要なファイルを外付けHDDやクラウドストレージなどにコピー
- ブラウザのブックマーク、メールデータなども必要に応じてエクスポート
- Windows Updateを開く
- 「設定」を開き、「更新とセキュリティ」→「Windows Update」を選択
- Windows 11へのアップグレードを確認
- 「Windows 11へのアップグレードの準備ができました」というメッセージが表示されたら、「ダウンロードしてインストール」をクリック
- 表示されない場合は、「更新プログラムのチェック」をクリック
- アップグレードプロセスを開始
- 「同意してインストール」をクリック
- ダウンロードとインストールが自動的に進む(時間がかかる場合があります)
- セットアップを完了
- 画面の指示に従ってWindows 11のセットアップを完了
- 設定の確認やMicrosoftアカウントへのサインインが求められる場合があります
アップグレードがうまくいかない場合や、Windows 11の要件を満たしていない場合は、次のセクションで説明する「Windows 11搭載PCへの買い替え」を検討する必要があります。
Windows 10サポート終了への対応策② Windows 11搭載PCへの買い替え
Windows 11へのアップグレードができない場合や、パソコン自体がすでに長年使用していて性能面での限界を感じている場合は、新しいWindows 11搭載パソコンへの買い替えを検討すべき時期かもしれません。ここでは、パソコンの買い替え時期の目安や選び方、データ移行の方法などについて解説します。
PCの買い替え時期の目安
パソコンの平均的な寿命は約5年と言われています。これは単に物理的に動作しなくなるという意味ではなく、以下のような状況を総合的に判断した目安です。
- 購入から5年以上経過している
- 動作が著しく遅くなっている
- ハードウェアの故障や不具合が増えている
- OSのサポート終了が迫っている
- アップグレードが不可能である
頻繁ではなくても不具合を感じることがあるなら、Windows10の終了を機会にパソコンを買い替えてみても良いのかもしれません。
Windows 11搭載PCの選び方
新しいパソコンを選ぶ際には、利用用途に合わせて適切なスペックを選ぶことが重要です。過剰なスペックのパソコンを選ぶとコスト面で無駄が生じますし、逆に必要なスペックに満たないパソコンを選ぶと、すぐに不満を感じる可能性があります。
用途別おすすめスペック
一般的な事務作業、Webブラウジング、動画視聴向け(一般ユーザー)
- CPU: Intel Core i3/i5、AMD Ryzen 3/5クラス
- メモリ: 8GB〜16GB
- ストレージ: 256GB〜512GB SSD
- 画面サイズ: 13〜15.6インチ
- 予算目安: 8〜15万円程度
写真・動画編集、ゲームなど負荷の高い作業向け(ハイエンドユーザー)
- CPU: Intel Core i7/i9、AMD Ryzen 7/9クラス
- メモリ: 16GB〜32GB
- ストレージ: 512GB〜1TB SSD
- グラフィック: 独立グラフィックカード搭載モデル
- 画面サイズ: 15.6〜17インチ
- 予算目安: 15〜25万円以上
持ち運びが多い方向け(モバイルユーザー)
- CPU: Intel Core i5/i7、AMD Ryzen 5/7クラス
- メモリ: 8GB〜16GB
- ストレージ: 256GB〜512GB SSD
- 画面サイズ: 12〜14インチ
- 重量: 1.5kg以下
- バッテリー駆動時間: 8時間以上
- 予算目安: 10〜20万円程度
データ移行の方法と手順
新しいPCに買い替える際には、これまで使っていたWindows 10搭載PCからデータを移行する必要があります。写真やドキュメント、業務用ファイルなど、大切なデータを安全かつ確実に新しい環境へ引き継ぐことで、移行後もこれまで通りの作業が可能になります。
データ移行にはさまざまな方法があり、使用するツールや環境によって最適な手段は異なります。USBや外付けHDDを使った手動移行から、クラウドストレージ、専用ソフトウェアの活用まで、それぞれメリットと注意点があります。
具体的な手順やおすすめの方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
Windows 11 入れ替えに伴うPCキッティングに最適なツールとは?
移行ミスを防ぐためにも、事前に一度チェックしてから作業に取りかかることをおすすめします。
Windows 10サポート終了への対応策③ サポート終了後も使い続ける選択肢
何らかの理由でWindows 11へのアップグレードや新しいパソコンへの買い替えができない場合、Windows 10を2025年10月14日以降もサポート終了後に使い続ける選択肢も考えられます。しかし、セキュリティリスクを伴う選択であるため、そのリスクを最小限に抑えるための対策が必要です。
拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)について
Microsoft社は、Windows 10のサポート終了後も、「拡張セキュリティ更新プログラム(Extended Security Updates、ESU)」を有償で提供する予定です。ESUはセキュリティに関する重要な更新プログラムのみを提供するものであり、新機能の追加や品質改善などは含まれません。
個人ユーザーにとってESUは、コスト面でのメリットが少ないため、積極的な選択肢とは言えません。長期的に見れば、Windows 11への移行や新しいパソコンへの買い替えの方が、セキュリティ面でもコスト面でも良いといえます。
セキュリティリスクを最小限に抑える方法
Windows 10をサポート終了後も使い続ける必要がある場合は、セキュリティリスクを最小限に抑える必要があります。例えば、強力なセキュリティソフトを導入して、ブラウザやアプリケーションを最新の状態に保つことが大切です。可能であれば、インターネットに接続しない「オフライン環境」のみで利用することをお勧めします。インターネットに接続しなければ、外部からの攻撃リスクは大幅に減少します。
ただし、セキュリティ対策をしてもサポート終了後のWindows 10使用には常にリスクが伴うことを忘れないでください。長期的には、Windows 11への移行または新しいパソコンへの買い替えを計画することをお勧めします。
【参考】サポート終了OSの移行はどうしたら… P2V? 新OSへデータ移行?
Windows 10からWindows 11への移行時期の目安
Windows 10のサポート終了後に慌てないためには、事前に移行計画を立てることが大切です。ここでは、時期ごとに何を行うべきかの目安をご紹介します。
2025年の今行うべきこと
サポート終了が迫る2025年前半(1月〜6月頃)には、具体的なアクションを起こす時期です。
2025年前半の行動計画
- アップグレードを選択した場合
- テストアップグレードを試みる(主要なデータやアプリが問題なく動作するか確認)
- 問題がなければ、本番アップグレードを実施
- アプリケーションやドライバーの再インストールや設定
- 買い替えを選択した場合
- 具体的な機種を選定し、購入
- 購入後は速やかにセットアップとデータ移行を行う
- 古いパソコンと並行使用しながら、問題がないか確認
- どちらの場合も共通の作業
- 最新のセキュリティ更新プログラムを適用
- 使用しなくなったデータの整理や削除
- 移行または買い替え後の動作確認
サポート終了直前期の行動計画
2025年7月〜10月のサポート終了直前期には、以下の確認と対応を行いましょう。
サポート終了直前期の行動計画
- まだ対応していない場合の緊急対応
- すぐにWindows 11へのアップグレードを試みる
- アップグレードができない場合は、早急に新しいパソコンを購入
- 最低限必要なデータのみを移行(完全な移行は後日)
- すでに対応済みの場合の最終確認
- すべてのアプリケーションが正常に動作しているか再確認
- データがすべて移行されているか確認
- バックアップが最新の状態になっているか確認
- やむを得ずWindows 10を使い続ける場合
- ESU(拡張セキュリティ更新プログラム)の契約を検討
- セキュリティ対策を強化(前述の「セキュリティリスクを最小限に抑える方法」を参照)
- 将来的な移行計画を具体化
Windows 10サポート終了に関するよくある質問
Windows 10のサポート終了に関して、多くのユーザーが共通して抱く疑問について、Q&A形式で解説します。
サポート終了後もWindows 10は使えますか?
サポート終了後もWindows 10は起動し、基本的な機能を使用することはできます。「使えなくなる」わけではありません。しかし、セキュリティ更新プログラムが提供されなくなるため、セキュリティ上のリスクが高まります。
サポート終了後も使い続ける場合は、前述の「セキュリティリスクを最小限に抑える方法」を参考に、適切な対策を講じることをお勧めします。
Windows 11にすると操作方法は大きく変わりますか?
Windows 11は、Windows 10と比較して見た目やデザインに変更がありますが、基本的な操作方法は大きく変わりません。スタートメニューやタスクバーなどの変更はあるものの、ファイルの操作方法やアプリケーションの使い方など、基本的な操作感はWindows 10と大きくは変わりません。多くのユーザーは、短期間の慣れで快適に使用できるようになります。
アップグレードと買い替えどちらがおすすめですか?
現在使っているパソコンの状況と個人のニーズによって異なります。ただし、一般的な目安として、現在のパソコンが4年以上経過している場合や、Windows 11の要件を満たさない場合は、買い替えを検討するのが良いでしょう。
一方、比較的新しいパソコンで、動作に問題がなく、Windows 11の要件も満たしている場合は、アップグレードで十分対応できます。最終的には、ご自身の用途や予算、将来的なIT環境の変化を見据えた上で判断することをお勧めします。
Windows 10のサポート終了は計画的に対応しよう
Windows 10のサポート終了は、多くのユーザーにとって環境の見直しを迫られる大きな転換点です。焦って対応するのではなく、今のうちから準備を始めることで、トラブルを回避しながらスムーズに次のステップへ移行できます。大切なのは、自分のPC環境や業務に合った最適な選択肢を見極め、計画的に行動することです。
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